かたらい
地方の看護の動きあれこれ
伊藤 日出男
1
1青森県立あすなろ学園
pp.125
発行日 1967年2月1日
Published Date 1967/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913052
- 有料閲覧
- 文献概要
仕事の関係で上京中の折から,中央の看護の動きにふれる機会をえたので,改めて地方の現状,ことに青森県の身近かな看護の動向についてふり返ってみたい。
先日ある一流の大病院を訪ずれた際に,総婦長さんが残念そうにこう話された。地方から上京するナースは有能な人が多いのに,主任クラスになるとみな帰ってしまう,地方でさぞ活躍していることでしょうね,と。その地方に帰った有能なナースたちが,どのような悩みをもっているかはあまりご存知ないようだ。前近代的な病院組織の中に入って,悪い待遇のもとで苛酷な勤務を強いられ,新しい看護をとり入れようとしても先輩ナースとのあつれきなどの目に見えない厚いカベにつき当たっていつの間にかものいわぬナースに変わっていく例が私の周囲にも多い。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.