コール・ランプ
えらぁい人とは?
批尼苦理狐
pp.70
発行日 1967年2月1日
Published Date 1967/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913042
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「貴方のそばにも鈴木充がいる」例のチフス菌事件が世間の人を騒がせた当時の週刊誌の見出しにこんな記事があった。老人,成人,小児とその階層年令を問わず「何かがどこかが狂っている」こんな言葉もよく目にし,また耳にしたが全くいまさらながら「ああやんなっちゃった」で人間様を廃業したくなることしばしばである。しかしまた反面,お互い人間に生まれたなればこそおもしろおかしい諸々の事柄に出会って笑ったり泣いたりできるのも,人間社会の妙味かも知れない。ものごとは考えようか……。
WさんはO科の医長,東大出身で秀才だったとか,年令は40才をちよっと出たところかな。男盛り。そしてまたなかなかにハンサムでもある。申し分なし。2年ほど前某病院へ赴任早々の挨拶が「自分の給料は半分にさいてもよいから医療に必要な機械器具および薬品などはできるだけ確保してほしい」とか。まことにご立派ではある。ところがおいおいと日を経るに従って,われわれ凡人にはちょっと真似のできないそのご立派なお心がけに接し,周囲の者はただただ驚きの態タラクの連続と相成ったのである。
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