視座
QOLあれこれ
長 紹元
1
1帝京大学整形外科
pp.115
発行日 1993年2月25日
Published Date 1993/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901038
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最近QOLという言葉がしばしば話題になる.医療においても患者のQOLは重要で,単に疾病の治癒ばかりが治療の目標ではなく,患者のQOLに着目した治療を行うべきだと言われている.
整形外科領域ではQOLは四肢の機能に深くかかわっている.ただし同じ治療結果が個々の患者に同じQOLを与えるとは限らない.例えば,四肢悪性腫瘍の治療の場合,仮りに治癒率あるいは無病率がほぼ同じだとして,患肢を切断して機能性のある義足を装着するか,あるいは広範囲の切除の結果,知覚が損われ瘢痕性になった棒脚を残すかということは,患者のQOLに深く関連しているが,実際の治療法の選択あるいは結果の評価は難かしい.
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