ナースのための臨床薬理
薬物ショックの予防
橘 敏也
1
1聖路加国際病院内科
pp.4
発行日 1966年7月1日
Published Date 1966/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912788
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近年薬物療法の進歩とうらはらに,薬物による障害が著しくふえてきた。しかもその内容はいよいよ複雑となり,なかにはアナフィラキシーのようにたちまち人の生命を奪ってしまうような事件までも起こって,ある場合には大きな社会問題として,社会一般の人びとをおびやかすこともあった。薬物の障害のなかでもとりわけ過敏症が問題とされているのは,それが時には予想もできないような突飛な起こり方でやってくるうえに,時にはアナフィラキシーまでも起こしてくるからである。
薬剤によるアナフィラキシーについては,われわれはペニシリンショックの苦い経験を通してたくさんの知識を得たが,それでもアナフィラキシーは風邪薬(解熱剤),予防注射,BSPテストなどによって,次々と起こされているのが現状である。そこでここでは薬剤によるアナフィラキシーをとり上げて,それに対する共通の注意と準備をまとめてみよう。
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