救急診療
薬物ショック
渡部 美種
1
1東北大麻酔科
pp.508-509
発行日 1970年5月10日
Published Date 1970/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203063
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法医学の統計では,昭和31年より41年の間で,診療過誤の疑いによる法医解剖が369例あり,そのうちで薬物ショックによるものが280例あり,全体の76%を占めている.その内訳は麻酔剤によるもの139例,その他の薬剤によるものが141例で,そのうち抗生物質53例,ピリン系薬剤27例などが主なものである.麻酔剤の139例については,腰麻剤53例,局麻剤42例,吸入麻酔剤24例,静脈麻酔剤20例となっている.その他われわれの経験した症例の中にはブロームサルファレーン,造影剤,利胆剤,止血剤などによる重篤なショックを経験している.すなわち日常使用している薬剤に対しても重篤なショックを起こすことがあり,しかも時に不幸な転帰をとることもあるので,私どもの経験を中心に主として治療法について述べる.
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