看護□食事療法
潜出血検査食
宮川 哲子
1
1虎の門病院栄養部
pp.76
発行日 1966年3月1日
Published Date 1966/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912671
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1.意 義
臨床的に糞便内出血において,肉眼上すでに血液の混在を認める場合を顕出血といいますが,これに対し肉眼では認めることができず,化学反応によってはじめて血液の存在を認めることができる場合を潜出血といいます。糞便内の潜出血は臨床上吐血よりもさらに重要な意義を有しています。腹腔内の疼痛,不快感,下痢,便秘など胃腸に関する疾患をおもんばかる場合にいろいろな疾患を考え,その類症鑑別に苦心する間に糞便内血液反応を検査することを怠らなければ,重大な胃腸疾患が比較的容易に診断のヒントを得て,正確な診断に到達することが多いのです。このような意味で腎臓膀胱疾患の場合の尿検査,結核の場合のレントゲン検査と同様に胃腸疾患においては潜血反応検査を行なうべきものといわれています。
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