とびら
診療録と潜艦日記
渡辺 京子
1
1亀田総合病院リハビリテーション室
pp.541
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100842
- 有料閲覧
- 文献概要
学生時代,臨床実習先だった座間米陸軍病院には,大勢の若い負傷兵士がベトナム戦争の前線から送られてきました.あれから湾岸戦争,アフガニスタンからイラク攻撃まで,世界のあちこちで戦火が絶えません.争いを回避する手だてはないものか,過去から学ぶことがあるはずです.
私の父も真珠湾攻撃に参戦し,1941年11月16日から12月27日までの間の,万年筆で書かれた潜艦日記が残されています.戦争に遭遇した軍人としての思いが達筆にして簡潔な文章に込められています.しかし終戦直前に南方諸島で潜水艦と共に戦死しました.戦争がなければ父母も私も違った人生を送っていたでしょう.戦後の厳しい生活を母子家庭で乗り切った母は,「これからの女性は手に職を持たなければならない」が口癖で,孟母の教えに従い私は理学療法士(以下PT)の道に進みました.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.