看護心理研究
患者心理と看護相談
伊藤 澄江
,
季羽 倭文子
pp.49-53
発行日 1966年1月1日
Published Date 1966/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912595
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Ⅰ.患者心理
患者心理については,今までにも多くの人によって,いろいろなとらえ方が紹介されている。看護心理研究会では,数年前“患者が自己の疾病に関してどのようなimageをいだいているか”という角度から患者心理について研究をまとめた。その結果病気が回復にむかっている患者が必ずしもよいimageをもっているとはかぎらないことすなわち病状と患者のimageとの間にはかなり“ずれ”があることがわかった。
さらにその後サイコグラフについて研究をすすめた時,サイコグラフに現われる患者の心理的変化は,退院の時期が決定しているという明るい見通しのある場合でも,サイコグラフのプロフィールが(-)にかかっている場合もかなりあること,すなわち発病の初期であっても,また疾病がほとんど治癒した状態であっても,闘病過程に関係なく患者心理は動揺するものだということが把握できた。患者心理の変化はどのような場合におこるのか,またどのような働きかけをすればよい変化をおこさせることができるのか,研究をすすめなければならない問題はまだ多く残されている。
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