特集 看護婦の勤務と生活の合理化
第2部 よりよく学ぶために
上手な試験答案の書き方
古矢 弘
1
1東京都教育庁
pp.82-83
発行日 1961年6月15日
Published Date 1961/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912544
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採点者の立場で
看護にあたる場合には,看護法という特別な知識が必要であると同時に,患者の立場になつて考え,その心理に満足と安定感を与える配慮が必要であろうと思う。
答案の書き方の場合もまつたく同じことがいえる。採点者を患者と思えばよい。極度に制約された時間と場所のなかで,神経をすりへらしながら,あまりりつぱでない答案の山を処理してゆかなければならないという苦しみは,とうてい経験のない者には想像もつくまい。そのいらいらした神経には,患者の心理と同様,あまりサービス過剰な答案はいやけがさすし,そうかといつて,あまりそつけない答案も勘にさわるものである。患者の表情をよみとつて,うまくその欲求に適応した看護をすることがたいせつなコツであるように,採点者の要求にうまくツボを合わせた答案を書くことが何よりたいせつなコツである。
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