看護婦さんへの手紙
我慢
串田 孫一
pp.13
発行日 1964年10月1日
Published Date 1964/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912396
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私はこれまでに,入院をして外科手術をしたことが一度,あとは,外来でいろいろお世話になった記憶が何度かあります。これまでまあ自信を持っていた健康が,一年半ほど前からあやしくなって,自信を未だに取り戻せませんから,今後はお世話になる度数もふえそうに思われます。
一度入院をして手術をした晩に,傷口が痛んで眠れませんでした。こういうものなのだろうと思って,かなり心細かったのですが,我慢をしていました。そのことを朝になって看護婦さんに申しますと,枕許にちゃんと呼鈴のボタンを置いてあるのに,どうして呼ばなかったのです。注射をすればすぐに痛みはとまって,よく眠れたのに,と言って,叱られました。
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