特集 診断の糸口はここにある 手がかりから紐解く臨床推論
第4章 消化管
[Case 6 嘔気を伴う腹痛]吐いて,吐いて……お腹がどんどん痛くなるんです.我慢できません
山脇 博士
1
1日本医科大学多摩永山病院 消化器内科
pp.476-479
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika132_476
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診断は何か
手がかり
嘔気・嘔吐の経緯:もともと慢性便秘症にて排便回数の減少や腹部膨満感を認めていた可能性はあるが,嘔気に加え,嘔吐を頻回に認めるようになっている
腹痛の経緯:嘔気・嘔吐の経緯と同様に,もともと慢性便秘症にて腹部膨満感や腹部の違和感を認めていた可能性はあるが,嘔気・嘔吐が出現してから,比較的短時間で腹痛が出現し,疼痛の増悪を認めている
腹部X線(図1):Kerckring(小腸ひだ)が明確にみえ,拡張した小腸を認める.一方でハウストラ(大腸ひだ)やニボー形成は明らかでない
血液検査(表1)
腹部造影CT(図2)
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