看護婦さんへの手紙
あなたのムード
水木 洋子
pp.13
発行日 1964年5月1日
Published Date 1964/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912232
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看護婦さんは,いつもニコヤカで,優しくて,ねばり強くて,キモがすわっていて,そして神経が細やかで,てきぱきと何でも処理する理性が働く,そういう人がいいと思います。
あたりまえのわかりきったことですが,看護婦さんも人間だから,虫のいどころの悪い時もあるでしょうし,面倒くさくなることもあるでしょうし,毎日のくりかえしが事務的で粗雑になることもあるだろうし,病人より自分のほうが偉く思えて顎であしらいたくなることもあるし,またツケトドケで患者の差別をつけたくなることもあろうし,自分の仕事は,所詮は生活手段にすぎないと思いながらも,それにしても間尺に合わない収入だとゲンナリすることもあるだろうし,人の面倒をただみてやっているような錯覚におちいる場合もあるだろうし,それらが習慣となると,いつも不満そうな顔になったり,偉ぶった態度が身についてしまったり,薄情そうな目つきで,おざなりな,または怖いような看護婦さんができ上がってしまいます。
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