特集 看護業務の向上をさぐる—その検討の中から
Ⅳ.何を新たに学ばねばならないか
私はこうして学んでいる
整形外科
故引 牧子
1
1岡山大学附属病院整形外科
pp.116-117
発行日 1962年6月15日
Published Date 1962/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911665
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- 文献概要
近年医学の発展にともない整形外科の発達はめざましく,ほとんどの大学病院その他の総合病院では整形外科が独立し治療内容も発展し,予防医学,治療医学,更生医学の分野に大別され治療が行なわれている。予防医学は各地方の保健所が主体となって活躍し,治療医学は一般の病院で行なっている。更生医学,これは整形外科の重要な分野である。
近年交通機関の急速なる発達にともない,これらの交通機関による災害はますます増加の傾向を示し,その程度も多種多様で,私たち整形外科に勤務するものにとっては重要な問題である。もし患者が不慮の災害による事故であったら精神的な打撃も大きく,あらかじめ心構えがでぎていなくて非常に心配しているであろう。この場合の看護は患者に心理的な影響を与えるものであるからかかる場合には特に周到なる看護が必要となる。患者の心理を把握することは,看護婦としてその患者のための最良の看護をしその回復をねがうなら,心得ていなければならない技術だと思う。また慢性的な病気や将来身体的障害を残すような患者には心理的な接触,看護がだんだん重要視されるようになってきた。このように身体障害を残すだろうという診断は患者に圧倒的な感情的衝撃を与えるにちがいない。こういう病気に対する心配,不安,憂欝という反応は極めて自然なものであるが,この反応をあまり長く続かせないように適当なる指導を与えなければならない。
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