論述
整形外科領域における血管外科—一般整形外科医のために
玉井 進
1
Susumu TAMAI
1
1奈良医科大学整形外科学教室
pp.579-587
発行日 1970年8月25日
Published Date 1970/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904435
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緒言
近代産業の発達は種々の血管損傷を伴う四肢外傷を招来して,しばしば生命の危険,あるいは四肢の壊死をきたす場合があり,これらの外傷治療にあたる整形外科医にとつて,いまや血管外科技術は必須のものとなつている.しかるに,一般には血管外科は特殊な専門家の手にゆだねられがちで,専門家に恵まれない病院では,仕方なく消極的な処置に終つてしまう場合が多い現状である.
Carrel(1902)1)にはじまつた血管外科は,過去10年間に飛躍的な進歩をとげ,Jacobson(1960)2)のmicro-vascular surgeryは,外径1mm前後の血管吻合をも可能とし,その応用範囲は一段と拡大されてきた.
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