病院職員の基礎知識 診療科の知識
整形外科
大木 勲
1
Isao OHKI
1
1自治医科大学整形外科学
pp.232
発行日 1983年3月1日
Published Date 1983/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207973
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整形外科の対象疾病
「整形外科」とは英語でorthopae-dicsまたはorthopaedic surgeryと言い,ギリシャ語の矯正と小児を意味する語から成り立っています.かつては小児期の変形を矯正予防する学問として始まりましたが,現代の整形外科は運動機能に関連するあらゆる疾患の治療を対象としており,主として躯幹及び四肢の骨,軟骨,靱帯,腱,筋,神経及び血管系に起こる諸疾患がこれに含まれます.最近では脊椎外科,関節外科,手の外科,外傷災害外科,骨軟部腫瘍,先天性系統疾患及びリハビリテーションなどの各分野に分かれてそれぞれ専門化する傾向ができつつあります.
主な疾患を挙げると,脊椎外科では奇形や生まれつきの原因で起こる斜頸,脊椎披裂など,炎症性のものとして結核性脊椎炎(脊椎カリエス),化膿性脊椎炎,強直性脊椎炎など,年齢変化と関連して起こる変形性脊椎症,頸部脊椎症,骨粗鬆症などのほか,青壮年に多い頸椎や腰椎の椎間板ヘルニア,日本人に多い後縦靱帯骨化症,思春期の女性に発生しやすい側彎症,生まれつきの原因やスポーツなどの外傷が原因の一つと考えられる脊椎分離症や脊椎すべり症など多くの疾患を含みます.
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