看護サービス・3
よい人間関係をつくる一つの場,他
永井 敏枝
pp.61
発行日 1961年3月15日
Published Date 1961/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911294
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◆指導者として部下との関係をよくするための基本心得
看護管理系体上の指導者と部下との間の人間関係がよい状態にあるかどうかということはその職場の看護サービスを左右する大きな鍵となつているでしよう。この両者の関係がよくいつて,はじめて一人一人の看護婦のサービスが完壁を期すことができるでしよう。そこでこの両者の関係をよくするためにどのような心得をしたらよいでしようか。これはもちろん看護婦一人一人が社会生活を営んでいる個人として扱わなければなりません。人は機械ではありません。皆それぞれ異つた社会的,生物的,経済的諸因子を背負つた人間であります。と同時にその各個人は絶えず変つていくのでもあります。厳密に云えば,今日のその人と,昨日のその人と,職場のその人と,勤務時間外のその人とは同じではないのです。これらのことを認めて理解するように努めなければなりません。そしてその上にたつて,お互の関係をよくするための何か基本となるものを考えてみましよう。
(1)仕事ぶりについて当人に話す
部下を放つておかないで,その人の仕事ぶりはよいかどうか当人に云つてあげることは部下にとつては常にみていて下さるという信頼感や,仕事に対する意欲,よりよいサービスをしたいという熱意を起させることになります。そうすることによつて人と人との関係を強く結びつけます。このためには相手にどうして欲しいか,してほしいことを前もつてきめておく。
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