ナースの意見
ナースの低いレベルの底に
ナース
pp.44-45
発行日 1960年11月15日
Published Date 1960/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911200
- 有料閲覧
- 文献概要
連盟通信の第4号のニュースを読み終えて,複雑な感情と憤りを感じた。『看護が女性の特性を生かすべき要素を持つているが,女性が過去において,社会的地位が低く独立性の立場に欠けていた関係でその業務もまた常に従統的立場を越え得なかつた。これは看護業務者のみの責任ではなく看護周辺の責任である。』と云う媒姉の一章にひどく心を奪われその言葉について考えてみた。業務者のみの責任ではなく,とは云うことの出来ないものがあるからである。それにつづいて『今日では看護業務確立のために主体性を創り上げる責任と権利があると思う』と書かれてあつた。なる程これはごもつともな言葉である。主体性をクリエートし,人命を倫理性と科学性との方面から救助し守らなければならない最高の職務にある我々ナースが,あらゆる科学的知識を必要とするナースのレベルを,今日おもむろに感じた様な,そして,奴隷制度から免れることの出来ない立場に今更気づく様ではレベルアップするにも気の抜けた様な話である。過去において女性が社会的地位が低かつたにしても,特に看護と云う職業が社会的見地から低い立場におかれているのかを先ず考えるべきではなかろうか?大規模に組織化された病院は別として,地方の小規模な看護組織においてナースの生活形式を御覧になつたことのない中央の幹部の方々,私はそれをここに述べてみよう。
Copyright © 1960, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.