医学の話題
ライの予防
O
pp.18
発行日 1960年3月15日
Published Date 1960/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911052
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人類の結核の病源菌には2種類あり,大部分は人型結核菌によるが,一部は牛型の結核菌による事が分つている。1921年にフランス人カルメット及びゲランが,この牛型菌を代々培養して,毒力が非常に弱くて,これだけでは,いわゆる結核症の発病が起らない菌の種類を作り,これを結核にまだ罹つていない者に与えると,本当の結核を起す強い結核菌に対し免疫が与えられる事を発表した。これをB. C. G.(発見者の頭文字にバチルスのBをつけたもの)と呼び,結核の予防に諸国で使われている。
最近,東京で国際ライ学会が開かれた時,諸国から集つた学者の間でB. C. G. は又,ライの予防にもなるといういくつかの発表が行われた。結核予防のためにB. C. G. が与えられた群では,ライの発生が少ない事が分つている。ツベルクリン反応は結核菌の感染後に陽性になる事は周知の通りだが,このツ反応陽性群でもライの発生率は低い。
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