口絵 続・写真解説看護技術・10
口腔外科疾患の各種食餌の与え方(Ⅰ)
佐久間 ヨシ
1
1東京医科歯科大学歯学部附属病院歯科病棟
pp.5-12
発行日 1960年1月15日
Published Date 1960/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911009
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口腔内疾患に関しましては,栄養物の補給門戸である口腔が,炎症あるいは,腫瘍手術操作等のために閉ざされるか,開口障害があつて,栄養の摂取通過を妨げられることが多いので,栄養状態には特別の考慮や工夫を必要とします.特に咀嚼困難,嚥下困難の著しい場合や,口腔内の安静を要する場合は特に注意を払わねばなりません.
病気の治癒に当り,看護による精神的な安堵の必要性はいうまでもありませんが,口腔疾患の場合,患者は,顔面の醜形を特に意識しておりますので,看護の仕方にも特殊性が生れてきます.例えば,自分の下顎が切除された後,その顔形はどうなるか,また,食事はどのようになるだろうか,舌切除術を受けた患者はその後の咀嚼または言語障害等を心配し,食事をどうして呑んだらよいだろうか,あるいは顎に外傷を受け骨折して,上下顎が,結紮固定されて僅かな間隙もなくなつた患者は,どうして食餌を採るのであろうかと心配しております.そしてこれらは我々看護婦が特に考慮をはらわねばならぬ理由でもあります。以下に紹介する食事の与え方は,極く一部ですが,医師は医療に,看護婦は,全身的栄養低下を防ぐことに,特に口腔食食餌法によつて,その与え方を充分工夫しております.
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