講座
栄養失調症—<ビタミンA欠乏に因る故障>
桑原 カヲリ
pp.73-74
発行日 1959年2月15日
Published Date 1959/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910802
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夜盲症と閃光メクラ
附随事項 ビタミンAの軽度の欠乏症は種々様々に表明されて今日世界に拡がつています。この欠乏症に関連した初期の徴候の一つが夜盲症です。この症状が幾百年も前に認められていたラボラドアとニューファウンドランドに於ける通俗療法が肝油だつたのです。この国に於ては子供,大人の間にあるいろいろの程度の夜盲症が発見されています。それには定期の集団検査で弱い光線を使える器械を調節して,それを発見し,程度を測るのです。全体としては低収入階級に多い傾向があります。けれども幾らかは殆んどどのような階級にも見出されるのです。
夜盲症と緊密な関連があり本質的には同一なものである閃光盲目は自動車の運転手がヘッドライトがキラキラして夜は運転出来ないと訴えたことで認められたのです。戦時中能力ある夜間パイロットはこの症状を特に検査されたのでした。そして予防としてビタミンAの充分な摂取が勧められたのです。
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