講座
四肢の疼痛について
山田 惠美子
1
1国立東京第一病院混合病棟
pp.21-25
発行日 1959年2月15日
Published Date 1959/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910788
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四肢の疼痛は,種々な先天的疾患,或いは後天的な外傷その他によつて起る整形外科的疾患が多く考えられますが,内科的疾患や,外科的疾患に続発する炎症による疼痛を訴える場合も少くありません。疼痛感覚は多くの場合,炎症その他異変ある時,疾病の起つた事を知らせる警鐘でもありますから,その疼痛の種類(微痛,激痛,鈍痛,刺す様な,切刺様痛,裂く様な,牽引痛,刳る様な,搏動痛,緊張痛,疝痛,自発痛,圧痛,放散痛等々)又随伴する症状に就いての訴えを上手に聞き届けることは,診断のよき参考資料となり,それによつて看護の方法も変るわけでありますから,細心の注意を払うことが大切です。
この疼痛は原因が非常に広範囲に亘りますし,患者個人の感覚によつてまちまちであり,環境や心理的影響を受け易いものですから患者の性格,肉体的条件(何らかの疾患に罹つていたか,否か,性別,年令等)社会的な環境,背景を知り正確さを期する様にいたします。
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