書評
—医学書院 編—「看護技術」基礎編/—河上 利勝 著—ナースの為の医学慨論
S
pp.37
発行日 1957年6月1日
Published Date 1957/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201281
- 有料閲覧
- 文献概要
能率的な看護手順どんな病人もこの調子で
病人はとかく神経質になつている.その病人に不安を起させたり,疲れさせたりするのは何より禁物である.そういううれいのないようにそばにつきそう人が心をくばつてくれたら療養者はどんなによろこぶことだろう.しかし病人はわがままであるから,どのように親切にされても不服不満というものはあるものだ.
そこで病人に対し長い間介添えをしてきた人たちがたくさん集つて各自の経験を公開し,検討してよりよき効果を出そうと考えた.そしてその技術的成果を一場面,一場面写真にとつて,実際に手にとつて教えるように本で習得させることを期した.その出来上りが本書である.こういう考え方は,患者をよろこばせるだけでなく,看護にたずさわる人の能率をあげることでもある.正しい方法の手順を,単に教えるということでなく科学的根拠まで学ばせるのがよい,たとえば写真でちよつと理解しにくいところを図解しているところなど,千差万別の病人の扱い方をあらゆる角度からもうらしているので独習者にも十分参考になる.
Copyright © 1957, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.