講座
ペニシリン・シヨツク
真下 啓明
1
1東京大学田坂内科
pp.23-27
発行日 1956年10月15日
Published Date 1956/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910191
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今日ペニシリンの使用によつておこる副作用の中で,このペニシリン・シヨツクは臨床像の激しさ,ときに死に至ることなどから単に医学上の問題としてばかりでなく,新聞紙上その他の報道によつて一般の人々の関心をも高まらせている。ペニシリンが抗生物質剤中第一番目に出現した薬剤であり,またその効果のきわめてすぐれていることから広く臨床に用いられ,ついには素人療法として乱用といえる状態に立ち至つていた時に,この問題が脚光をあび,ペニシリン・ノイローゼという言葉まで用いられるに至つた今日の状態はまことに皮肉という外はない。
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