Student's page 東京衞生病院看護学院
明るいほゝえみの中で
山口 節子
pp.31-32
発行日 1956年3月15日
Published Date 1956/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910080
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二段ベツト,イスと机,スチームと今迄と違つた,洋式と言えば大げさかも知れないが,そうした中で私達は生徒の生活をする新入生を迎えるとまず,“ウエルカム,パーティ”が,神の祝福の内に和やかにくり広げられる。沖繩から,北海道からと,一人一人の生活環境,出身地は異つているが,一つの目的のために同じ所に集められ,生活するという素晴しさを—,それぞれ感じつつ,初めて会つた人々が,心から親しんでゲームに打ち興ずるこのパーティは,新らしい学びを,見知らぬ土地でしなければならないという不安を取り除いて,新らしい生活に対する大きな望みを起させてくれる。
生れて初めてのベツト生活に,笑い話のような事がよく起る。上の人に大きな寝返りをされると,頑丈なベツトも,ミシミシとゆれる。ある日いつものように寝返りをうつて,ヤレヤレと思う間もなく,下のYさんが“地震?”と,とび起きたのに皆が目をさまし,真夜中に笑いころげたことを今でも覚えている。夜中に寒くて目がさめる。いやに体の上が軽い,よく見ると見事に下に落ちている。“寒くていやだナ”と渋るが仕方がない一人でニヤニヤしながら引つぱり上げて,一寝入。
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