連載 全身がん患者・丸刈り〜たの病棟生活・7
明るいお喋り?
丸刈り〜た
pp.953
発行日 1999年10月1日
Published Date 1999/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905948
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みなさん,いかがお過ごしでしょうか.病気持ちになってから,「お元気ですか」とおたずねしなくなりました.入院生活で知り合った方々のほとんどが同病者で,当然がん患者ですから「元気」という状態はあまりありません.ついつい「いかがですか」とうかがうのがクセになってしまいました.まるでナースと一緒ですね.でも,これがいちばん当たり障りがありません.
ところで,がん専門病院って,患者は「がん患者」ばかり.「同病相憐れむ」ではありませんが,皆さんあからさまにご自分の病状をお話しになり,励まし,慰めます.一般の病院だとこうはいかない,「「がん」ですって,お気の毒…」って,同室者の目は憐れみと同情に溢れ,暗く重い空気になるのだそうです,転院してこられた方がおっしゃってました,「ここはイイワー,みんな同じ病気だから明るくお喋りできる」って.フム,そんなもんかいな,とは「病院世間」知らずの丸刈り〜たであります.
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