時の動き
とりのこされた日本
K
pp.42-43
発行日 1956年2月15日
Published Date 1956/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910058
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年が明けて冬も今が一番寒いときです。皆さんもお元気で職務にはげんでおられることと思います。今月は“とりのこされた日本”つまり昨年の12月の国連総会で,新しく国連へ加盟する問題が討議された際,日本が外モンゴールとの引合いで,アツというまに国連加盟から取り残されたことについてお話しましよう。
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国連という機構,つまり正しくは国際連合については,皆さんも御存知のように,第2次大戦が終つてから,もう戦争はこりごりしたという世界の人々の気持を反映して,戦争をしないことと,平和を維持してゆくため,米,英,仏,ソ,中(国民政府)など世界の大国をはじめ51カ国があつまつて出来上り,紛争はすべて国連を通じて,話し合いで解決してゆくことになつたものです。ところがその後国連へ新しく加盟したいという国が続々と現われ,1950年までには9カ国が新しく加盟を許されましたが,そのころから米ソの冷い戦争は国連の中にも反映して,米ソ両国がそれぞれ自分の勢力をのばそうとして争つたため,国連への新規加盟の問題は,行づまりとなりました。そこで昨年12月の第10回国連総会に,カナダが,国連へ入りたいといつている18カ国を一括して加盟させようという案を出しました。これに対してソ連が珍らしく同意しましたので,これまでいつもソ連のために国蓮へ入れなかつた日本も,今度こそ国連へ加盟出来て,世界の仲間入りが出来ると思つたのです。
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