扉
三度の食事
pp.9
発行日 1955年4月15日
Published Date 1955/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909784
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「さつきから,話といえば食べもののことばかり話していますね」と言い乍ら,尚かつ話はたえまなくつずいて,2時間程のつていた湘南電車の間中,さし向いに座つた私共二人の女性の話題は,美味しいごちそう,珍らしいおそうざい,変つた珍味,好きな食べもの,嫌いな食品を,果しなくくり展げられていくのでした。
たべものの話なんて,そんなに魅力のあるものなのでしようか。いや,話ではなくて,たべものそのものが非常な関心事であるからなのでしよう。
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