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Case
患者:58歳、男性
主訴:下痢
既往歴:高血圧症、過敏性腸症候群疑い
内服・サプリメント:オルメサルタン・メドキソミル/アゼルニジピン配合錠、ポリカルボフィルカルシウム細粒、栄養ドリンク
アレルギー:なし
嗜好歴:喫煙10本/日(20〜28歳)、飲酒なし
生活歴:海外渡航歴;最近10年はなし。野外活動;なし。ペット歴;180cmの水槽に熱帯魚(カージナルテトラ)100匹を飼育している。
現病歴:1年6カ月前に下痢があったが、1カ月で自然改善した。1年1カ月前に7〜8回/日の茶色水様下痢があり、1カ月で体重が78kgから70kgまで減少した。近医を受診し、血圧および腎機能の低下のため2週間ほど入院し改善した。9カ月前に下痢が再度出現し、近医を受診。腹部超音波検査では特記事項なく、Clostridioides difficileトキシン・抗原陰性、甲状腺機能正常であった。造影CT検査では軽度の小腸浮腫を認めるのみ、便培養はKlebsiella aerogenesと腸内細菌であった。「重症再発性下痢」として高度医療センター消化器内科に紹介となり、下部消化管内視鏡検査を施行した。回盲部から直腸にかけて観察し肉眼的に特記事項なく、回盲部の生検で好酸球浸潤を認めた。「過敏性腸症候群疑い」と診断され、補液で改善した。
1カ月前より再び8回/日の下痢が出現し、食欲が低下したため当院を受診した。ストレスは特になく、数年にわたり薬剤変更もない。来院時収縮期血圧90mmHg。血液検査ではBUN 52.8mg/dL、Cre 2.41mg/dLと、普段正常である腎機能の低下を認めた。白血球数・CRPは正常。造影CT検査では前回同様の小腸浮腫像あり。便原虫虫体や脂肪便は認めない。
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