特集 ナースのための精神身体医学
子供の精神身体医学的取扱い
平井 信義
1
1お茶ノ水女子大
pp.138-146
発行日 1954年10月15日
Published Date 1954/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909673
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はじめに
子供の“緒神身体医学”という言葉を聞いたとき,皆さんはどういうことを考えられるであろうか。精神身体医学というものが,便利な言葉であるだけに,今日しだいに広く使われようとしているが,それだけに,はつきりした概念規定をしようと思うと,なかなか難しい問題につき当る。しかも“子供”という不可解な精神の持主が対象であると,一層当惑した気持になるのは,私だけであろうか。
然しながら,大雑把に2つの方向に分けて,緒神身体医学を考えることが出来そうである。一つは,子供の緒神現象がどのように身体面に投影されているかという問題であり,もう一つは,身体条件がどのように精神を支配するかという問題である。親の愛情が薄いために縞神葛藤が起きて,それが夜尿症,頻尿症となつたり,或いは頭痛 嘔吐のみでなく,喘息さえも起るという考え方は,精神→身体の問題として取上げられ,一方,疾病を繰返しているために,神経質で自信に乏しい性質が生れるという類のものは身体精神に属することである。
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