- 文献概要
毎年夏になるとクラスの幹事の肝入りで,誰かの家で,又はどこかの場所で,たのしく一日を過すように,クラス会が計画されている。考えてみれば女学校のおさげ髪の頃から,指折り数えてもはやフタ昔,20年にもなつた今ではその子供達がその頃の自分達の姿を彷彿させる頃になつてしまつたことに,今更のようにおどろきの目を大きくみはつてしまう始末です。
通知があつても多忙な公務に追われて,お昼の食事を中心に開催されるクラス会には,こゝ2〜3年出られなくて葉書を書きおくつたり,電話で,何人かの声をきいてなぐさめていた私ですが,今年は,何人でもよい逢えるだけでもよいと思つて,夕方仕事が退けると同時にとび出して,会場にかけつけてみました。やつぱり来た甲斐があつて,根の生えてしまつた奥様方は,夕食のことが気になつて,むずむずし乍ら仲々席がたてないという有様,そこへ飛びこんだ珍客なので,またひとしきり話に華が咲き,活気がついてしまつたこの間のこと。
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