最近の検査技術
IgGとサブクラス
大谷 英樹
1
,
高宮 春男
2
1北里大臨床病理
2北里大病院臨床検査部
pp.686-691
発行日 1977年9月1日
Published Date 1977/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201451
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
免疫グロブリンというのは,抗体としての働きを持つタンパク群である.抗体は1938年Tiseliusによって,電気泳動上最も陰極寄りに移動するγ分画に属するタンパクであることが示され,それ以来一般にγ-グロブリンと呼ばれてきたが,近年,抗体としての活性を持つタンパク群は免疫グロブリンと総称されるようになった.なお抗体活性が明らかにされていなくても,構造上免疫グロブリンと関連するタンパクもこれに含められる.
免疫グロブリンに関する統一した命名法は1964年WHOにより提案され,免疫グロブリンは5種類のクラス(class)に大別される.すなわちIgG,IgA,IgM,IgD及びIgEと名づけられている.IgというのはImmunoglobuhnの略であるそれぞれγG,γA,γM,γD及びγEとも呼ばれている.各免疫グロブリンの性状は表1に示すごとくである.また同じクラスの免疫グロブリンでも構造上にわずかな違いがあって,IgGは4つのサブクラス(subclass)すなわちlgG1,IgG2,IgG 3及びIgG 4が区別される.IgAとIgMでは2つのサブクラスが知られている.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.