発行日 1954年7月15日
Published Date 1954/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909591
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ナイチンゲールの日に,彼女の偉大な看護事業への貢献を讃えて,それを記念しあとにつづくナースの中から優良ナースを,又は功労者を表彰することは,最近では年中行事の一つのように行われるようになつて,非常にその道の奨勵になつていることはあなたも御存知の通りですが,5月3日の憲法記念日に,県として,県政に功労した人として数人の人が選ばれる時,ナースが加えられた事実をしつていらつしやいますか?同じ仕事をするナースだけの群から数人えらばれることでも相当の人選でありましようものを,まして県全体の各方面の事業功労者の中から選ばれるということは,選ばれたナースその人の立派さは言をまつまでもありませんし,ナース自身としてもよろこばしいことですが,県当局が看護事業を一つの職域としてみとめ,他と同格に取扱われ,その人を見出し,同じ椅子につかせたいということに対してあたりまえのことといえばそれまでですが従来からの考え方から,如何ばかり飛躍し,思いきつた措置であるかを思い,全然慣習等にとらわれず全く民主的で,公平な,しかも,新しい感覚を持ち合わされていることを,ことのほかうれしく感じないではいられませんでした。
私はこの事実から一つのことを強く覚えました。それは,私達自身よくあることですが,それが正しいと思つたことを最後までやり抜く意志の強さ信念の堅さ正しいことを実行する勇気ということ。
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