特集 ナースに必要な癌の知識
癌の統計
平山 雄
1
1国立公衆衞生院疫学部
pp.134-139
発行日 1954年4月15日
Published Date 1954/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909558
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1.癌の死亡順位は第2位である
癌問題の重要性が,最近特に叫ばれるようになつた最大の理由は,癌の死亡順位が,遂に,第2位にまでせり上つたからである。1920年の第11位から,年と共にぐんぐん順位があがり,1950年(昭25)には第4位,1951年(昭26)には第3位,そして昭和27年後半からは,結核を拔いて,第2位となつた(第1図,第1表)。癌の死亡率自体は,1920年から1950年迄の間に,72.4から78.8迄(何れも人口10万対)上つたに過ぎず,それすら,高齡者が増えた為と説明されており,このように,死亡順位の上つたのは,実は,他の死因(結核,下痢腸炎)が凋落したからである。
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