特集 ナースに必要な癌の知識
共同研究—癌患者の看護はどうしたらよいか
新田 チヨ
1
,
高須 婦美子
2
,
新島 喜志
3
,
石垣 純二
,
金子 光
4
1癌研究所
2東京大学木本外科
3東京第二病院
4厚生省看護課
pp.102-126
発行日 1954年4月15日
Published Date 1954/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909556
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いとぐち
石垣 私厚生省にずつとおりまして衞生教育をやつておりましたが,最近は雑誌や放送の仕事を専らしております。
今日は私,引つぱり出されたものですから,しやべることに致しますが,どうぞ一ついゝお話を沢山聞かせていたゞきたいと思います。今日のプランは第4の「ナースは癌対策でどのよな役割りを果すべきか」が一番の目標でありまして,1,2,3はまあ話の糸口をつける意味でこういうふうにしてみたいわけであります。最初の「日本の癌問題の現状」ですが,初めにごく大ざつぱなことをちよつと申上げてみようと思いましてこういう項目をつけました。それから「公衆衞生と癌」は金子さんにお話し願おうと思つたんですが。大体ごく大ざつぱに申上げますと,御承知のように只今一年間に癌で亡くなります方が約70,000人おります。男女ともほゞ同数の死亡者をもつているわけなんですが,これは実に不思議なことで,私共は幸いにして子宮という厄介な臟器をもつておりませんから本当はもつと少ないわけですが,不思議なことに同数です。これは胃癌の方は男性が多いので子宮の分を取返してしまうわけなんです。しかしいずれも胃癌が圧倒的に第一位であります。女性の方はそれに引続いて約7,500人の子宮癌,それから約1,500人の乳癌と,そんなものが続いているわけです。
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