看護重宝事典
染色のちしき(4)
沼畑 金四郞
1
1青山学院短期大学
pp.66-70
発行日 1954年1月15日
Published Date 1954/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909499
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板締め絞り
これは夾纈染とよんで古代からある日本独特の染色で,布を色々に折り疊んでその上から矩形,三角,四角,円形等色色な板を両面からあてゝしばり,こうして染液の中で絞り染めと同樣に15分間くらい染めるのである。布の疊み方や,折り方,又板のあて方や,更に染液に全部つけるか,一部分だけつけるかによつて又色々な模樣が現れる。二等辺三角形にたゝんで麻の葉模樣に染めるのはよく知られている染め方である。小布片は一度に染め易いが,布1反くらいになると,一度にしばつて染めるわけにゆかないので,結局幾つかに分けて染めると夫々一樣にゆかないのが欠点であるが,短時間で効果的な模樣に染められるのが特色で即席絞りの名もある。これは一色だけでなく,板をあて直したり,脱色したりなどして,数色に続けて染めることもでき色々と変化に富んだ染色のできるのも興味がある。
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