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讀者の聲
鈴木 芳彦
1
1常磐炭礦礦業所病院
pp.57
発行日 1954年6月1日
Published Date 1954/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200827
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- 文献概要
炭砿病院はどこでもそうらしいが,病院というよりはむしろ外来診療所ともいうべきで,病院運営に当つてはとても病床を主としたやり方では間に合わないのである。何しろ毎日外来総数2000〜2500で主要坑口毎に小病院をたてるといつた今のやり方ではどうしても外来診療が主となり,本誌上で途べられているような理想的形態は何としてもとり得ない。午前中にどつとおしよせる外来患者,のべつに来る往診の依頼,いかように頭をはたらかせても病院に対する従業員の不平は絶えないのだ。この状態を改善する為1,2の方法を考えて実施してみたが割合成績がよいので御参考までに記してみることにする。
1日に1病院で300〜400剤がしかも殆ど午前中に出るので狭い薬局の窓口はひしめき合う騒ぎ。病院管理講習会で薬局はホテルの如くカウンター式に開放すべきだと教えられたが,風通しのよい木造の建物では冬は従業員がふるえあがるばかりだから,薬局の窓ガラスを全部すりガラスから透明ガラスに変えてみた。待合室で待つている患者達も調剤の模様がよく見えるので待たされて気をもむ必要もなく,名前も呼ばれてもすぐ判るのでそれまでの混雑は嘘のように落付いた。東一での講習会の時の病院見学でも薬局内が待合室から一目で見えるような病院はあまりなかつたようだから之はささやかながら私の自慢の1つにしている。
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