「完全看護の盲點」を讀んで
國立東京第一病院看護の實態
吉田 浪子
pp.28-31
発行日 1951年11月15日
Published Date 1951/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906959
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病院の改革は先ず完全看護から。と云うので婦長,看護婦の再教育開始が昭和23年の5月3日ハーター先生に依つて始められました。教育に併行し乍ら6月には早や三交代制の實施が院内各病棟一齊に實施され,また8月にはカールソン先生から病室管理の實際指導を受け昨年5月まで在院されました。
その間改革されました事は第一に病棟にあつた看護婦宿直室が次々と廢止されて病室に變りました。現在までに職員食堂の新設(それまでは各病室毎に職員配膳室がありました),洗濯場の中央化(それまでは看護婦が自分のユニフォームは勿論,患者への貸與被服汚れたガーゼ類も全部洗濯していました),患者食の配膳は炊事から各病室の配膳室まで炊事係に依る運搬(それまでは看護婦が炊事場まで受領に行つていた),掃除分擔區域がハウスキーパー制度の確立に依つてはつきりして來た事,醫事課の制度改革に依つて病床日誌,外來カルテ及診療書,治療箋等の發行手數が看護婦から除かれました。又醫長室醫局の統合に依つて(それまでは各病棟にあつて病室毎に掃除や廻診者の世話食事の世話があつたが今では定められた係がお世話しています。併せて先生の宿直室のお世話も),茶室及事務用品の倉庫の改革に依つて看護婦は必要數を何時でも受けることが出來る樣になり,又看護助手制度の確立に依つて連絡その他に當つています。次に病理試驗室の中央化となつて各種檢査物は全部病理に依頼することになりました。
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