発行日 1951年10月15日
Published Date 1951/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906944
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「私は小兒科に勤めている一看護婦でございますが,完全看護になつてからの心身の疲勞は殆んど言語に絶していると思います。それはとても一ト口には説明できないほど複雑な疲勞でございます。2週間交替でやつている48時間勤務も,長過ぎるように思えて仕方がありません。私などはこれでも人一倍健康にはめぐまれているほうなものですから,病氣にもならないで,まア,こうして何とか勤め上げているのでございますけれど,普通のひとでしたならば良心的にやつていたら先ず1週間で倒れてしまうかと思います。それというのも,完全看護になりましてからは,食事傳票を切つたり,配膳をしたり,入退院患者の被服の整頓から投藥壜の整理に至るまで,みんなやらなくてはならないような仕組になりましたし,こういつた種類の事務や雑務がたいへんな仕事なのです。これをなくすることができましたら何んなにか看護の能率が上ることでございましよう。それはまア,夜勤の補佐として,午前7時から12時までと,午後5時から8時までの2回,應援の看護婦が1人ついてくれますけれど,その程度の應援で間に合うような,そんな簡單なものではありません。たいへんな重勞働でございまして,2週間の勤務を無事に勤め果そうということになりますと,自然,患者のほうの手を拔くことになるのです。
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