基礎看護講座
檢温の注意
木田 文夫
1
1日本醫大
pp.19-22
発行日 1951年8月15日
Published Date 1951/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906905
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檢温の場所
検温というと腋の下ときまつていると日本ではだれも思うが,ヨーロツパの病院では,口の中や肛門も,腋の下とおなじように,たびたび用いられる檢温場所である。とくに幼兒や乳兒の検温は,たいてい肛門で行われ,またおとなの検温は,しばしば口のなかで行われる。
口のなかや肛門で検温するのなら,體温計をよほとよく消毒しなくては,ほかの人に迷惑をかけることがあろう。そうかといつて,煮沸消毒のできるものでないから藥品消毒になる。長い時間つよい藥液にひたしておくので手數がかかる。それから患者にしても消毒完全とはいいながら,他人の使つたものを口や肛門に入れられるのは,いい氣持ではない。自家用のを一本たずさえて入院することになる。
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