特集 受胎調節・人工妊娠中絶及優生手術
優生保護法をめぐる遺傳觀と淘汰觀の再檢討
木田 文夫
1
1日本醫科大學
pp.139-143
発行日 1949年4月10日
Published Date 1949/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200192
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1.はしがき
優生保護法の實地のいろいろな問題にいつては,本誌の特輯でくわしく取り扱われることと思う。さらにこの現行法は,將來多くの面からの改良が行われる豫定であると聞いているから,學問上實際上で,現在の優生保護法の含んでいる多少の不備についてはふれないでおきたい。著者は,編集者の希望によつて,現行ないし將來の優生關係法規を立案したり檢討したりする場合の據點となるような遺傳優生觀や民族淘汰論に對して,最近の人間遺傳學や民族體質學の立場から多少の檢討をした。次いで今後この優生保護法の運營に當つて,あるいは將來の改良に際して,留意していただきたい間題を述べてみた。これらはすべて私一個人の見解である。
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