インタビイウ
病める人と共にあれば幸なり—日赤本社看護課長林鹽さんを訪ねて
深見 純
pp.50-53
発行日 1950年12月15日
Published Date 1950/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906770
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御成門で都電をおりて,芝公園の一劃になつている日本赤十字本社の正門をくぐる。とこれはまた何と古めかしい建物であろう!!たとえてみれば銀座赤煉瓦時代。赤十字という近代ロマンの殿堂は,既にものなりて,いたくお年をお召し遊ばしたと,みてとるは私の僻目であろうか?しかし白い羽根のアイディアは,人智にはそうざらには考えだしえない超モダン的センスで永久に若々しい。さればこそ,科學の粹と人間愛の調和のとれた總力が,國境を超えた赤十字實踐活動の花と咲いて,世界の涯まで展開されているのだ。兎に角,一種獨特な荘重さを以て,私を威壓する本館に足をふみいれた。
大理石の階段—きざはしならん?—大きな,大きな柱時計……森閑として,世は既に明治の御代である。
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