名詩鑑賞
荒城の月—土井晩翠
長谷川 泉
pp.48-49
発行日 1950年12月15日
Published Date 1950/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906769
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多感な胸にしみじみとくいいる魅力を持つ「荒城の月」は士井晩翠の第1詩集「天地有情」に收められている。この詩は明治31年頃東京音樂學校のもとめに應じて作られたものである。この詩が多くの人々の胸に消え難い韻律をもつていつまでも餘韻を引いているのは,この詩に作曲した秀才瀧廉太郞の手腕もあずかつている。
瀧廉太郞は卒業と同時に21歳の若さで母校東京音樂學校の助教授となりた鬼才である。25歳で夭折した彼の曲にはこの「荒城の月」をはじめわれわれの耳に親しい「四季」「箱根山」「鳩ポッポ」などがある。
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