臨床医の悩みに迫る診断問答
—市川平三郎・山田達哉・土井偉誉著—「胃X線診断の実際—早期胃癌発見のために」を読んで
川上 武
1
1杉並組合病院・内科
pp.1666-1668
発行日 1965年11月10日
Published Date 1965/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201062
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胃癌の見落しに悩む臨床医
戦後の医療技術革新は,わが国の疾病構造にも大きな変化をもたらした。多くの急性伝染病・感染症は克服され,肺結核症も幾多の社会的問題を残しているが,その医学的圧力は昔日の比ではない。
これらに代つて,脳卒中・悪性新生物(癌)が死因別死亡順位の上位に進出し,これとの闘いが医学・医療の当面の課題となつてきた。脳卒中・癌を医療技術の面よりみると,本質的解決からはほど遠いとしても,ある程度は臨床医の射程距離内に入つてきたわけだが技術発達の制約から,臨床医にとつてその重みは必ずしも一様ではない。
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