2頁の知識
睡眠
杉 靖三郞
pp.24-25
発行日 1950年12月15日
Published Date 1950/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906764
- 有料閲覧
- 文献概要
疲れを回復するには休息が必要であるが,この休息の完全な形が睡眠である。一日ぢゆう頭や體を使つたあとの疲れは,體だけを安靜にしていても駄目で,睡眠をとらなければ,決して回復しない。
よく眠つたあとには,身も心も爽快に感じられる。そしてまたよく眠れなかつたあとには何となく體がだるく氣分の不快なことは誰でも經驗しているだろう。不眠は,たゞ氣分だけでなく,實際に體を弱らせるもので,貧血や潰瘍と同樣に厄介なものである。犬なども10日間も眠らせすにおくと死んでしまうが,人間では眠らずに生きていられる最大記録は5日ということになつている。眠りに入ろうとするときにはふつう30分くらい,夢ともうつつともつかない半ば無意識の状態になり,うまくゆくときは,ここで感覺は消え失せ,やがて無意識の状態にはいつてゆく。この移行はわずか數秒である。
Copyright © 1950, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.