発行日 1949年11月15日
Published Date 1949/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906555
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(9)初めての歐洲行
明治40年,看護婦副監督時代に,山内侯爵夫人に從つて(伏見宮家より御降嫁にならせられた方)パリーに行き,同地滯在中にお暇を頂き,41年10月佛人ハメル氏の令孃で軍人に嫁いだジューラー夫人の別莊に住む事となりました。ハメル氏は大資産家であり親切な人で,一たび女史に面接しただけで,此の人ならばよいと快諾され,ジューラー夫人も心から親切で,女史は同夫人や,パリーで日本人の爲に多年懇切に世話するアルカンボール夫人に,フランス語を學び,また病院の見學などをして見聞を廣められました。
しかし言葉はまだ不自由であり,秋風蕭條たる時など,さすがに郷愁の湧くものもあつて,次の和歌が日記にしるされています。
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