発行日 1949年5月15日
Published Date 1949/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906465
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看護婦再教育も開講されてはや2ケ月を過ぎやうとしてをります。3ケ月と云へば1ケ年の1/4………そう考へますと,とても永くかんじられました。教室での勉強に乏しい間,遠ざかつてゐた私共講習生48名は始めなんとなく戸惑ひしたやうなかんじでしかが,學課が進むにつれ學ぶと云ふ事の意義と喜びをつよくかんじて參りました。私は今更の樣に自分の智識の淺さが痛感されて悲しくなりましたが,その半面に勉病はこうゆふ風にしてゆくべきではないかとその輪廓が朧氣乍ら解つてくるのでした。今日も午前中基礎看護の講義と大量皮下注射法のデモストレーシヨンがありまして晝休みめひととき教室の中庭にでゝ春の陽を浴び乍ら勉強に追ひ馳けられる儘忘れかけてゐた自然の姿に懷しい氣持で目をとめるのでした。私共が此處に参りました頃はまだ小さかつた豌豆も初時の間にかふさふさと伸びて薄紫の花を澤山つけてをります。
基礎看護は時間も一番多く(150時間)私共にとつて最も大切な重點的な教育で御座います。その基礎看護を理解し習得するのには基礎學課を學ばねばなりません。特に解剖生理の知識が看護學を學び看護を行ふ上に非常に密接な關係のある事を自然に學ぶ事ができました。そして解剖生理を基礎として各科目と相互關係をつけて教へられる時興味深く自づから理解する力がついて參る樣に存じました。
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