看護學講座
外科看護法(10)—手術後合併症
湯木 きみ子
pp.49-52
発行日 1947年11月15日
Published Date 1947/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906263
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疼痛(Pain)
疼痛は手術後は現はれる第一の症状であつて,麻醉から醒めると患者ははや疼痛を訴へ始めるものである。始めの1日間の疼痛は主として手術創の縫合,牽引,結緊,等と考へられて居る。之を除くためには「モルヒネ」等が十分に投與される。腹部手術後の疼痛は嘔吐,嗽咳,激しい呼吸運動,等で著しく増惡されるものなので之等の症状を除く樣に努めねばならない。其の目的にも「モルヒネ」が役立つのだが,人に依つてはモルヒネ劑に過敏で却つて嘔吐を催すことも往々にあるので,處置に對しては愼重でなければならない。又麻醉の種類によつては覺醒に可なりの時間を要する場合があるが此の樣な場合にはよくよくの必要が起る迄は「モルヒネ」劑を與へない。
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