発行日 1946年11月15日
Published Date 1946/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906134
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事の起りは解剖學教室で仲間のひとりが,氣まぐれに詩の一句を誦んだことからはじまつたのです。それから,學課をそつちのけにして詩の討議へと脱線してしまひ,もつとも,時にはさうした論爭にも相當のねうちのあることもあるのですが―とうとう就寢前1時間を「詩」のためにお集り下さいといふ非公式の招待状が,看護婦學校の生徒たちのあひだに傳へられるといふ所まで發展したのです。
2人の先生がこの集りのお話をして下さいました。9時になると,外科臨牀教室の42人のうちの23人が,部屋着やパヂヤマ姿で集つて來ました。爐には薪木が赤々と燃えさかつてゐます。テーブルには,はでなクローがかけられて,茶菓がいつでも出せるやうにしてあります。1人の先生が,まづStephen Viucent Beuetの作品のなかからの數章讀んで下さいました。詩についてかたること40分。そのあとで,熱いチョコレートとそのほかの飮みもの。そして學生たちは次の週の集りを約しつゝ寢床へと三々五々かへつてゆくのでした。このグループはまもなく「水曜日の夜の人たち」と呼ばれるやうになりました。(米誌から)
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