現場から アイデア
脳卒中片麻痺の肩甲胸郭結合上で起きる肩甲骨下垂に対する機能的装具の検討
松本 千代
1
1愛仁会リハビリテーション病院
pp.584-585
発行日 2002年6月1日
Published Date 2002/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906094
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脳血管障害によって片麻痺側の僧帽筋上部線維と肩甲挙筋の肩甲骨挙上機能が低下すると,肩甲胸郭結合上で肩甲骨が下垂して肩甲上腕関節の亜脱臼と関節拘縮を招き,頸腕部の神経・血管が伸張され手部に浮腫が出現して上肢機能の障害がもたらされる.肩甲胸郭結合上の肩甲骨下垂は全片麻痺例の実に90%に見られる1).麻痺側手部の浮腫の改善と肩甲上腕関節の亜脱臼を予防するためには,発症後可能な限り早期に機能的上肢装具を用いて肩甲骨の下垂を矯正することが重要である.そこで,機能的上肢装具14型(ショルダーフィット,金森正恭氏考案1)を考案者の依頼を受けて作製し片麻痺患者に試用したところ,効果が見られたので考察を加えて以下に紹介する.
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