論述
肩甲骨全摘術について
武智 秀夫
1
,
伊藤 士郎
1
,
小野 勝之
1
,
安井 一夫
1
,
八野田 実
1
,
花川 志郎
2
,
高橋 洋
2
,
田口 孝爾
3
Hideo TAKECHI
1
1岡山大学医学部整形外科学教室
2香川県立中央病院整形外科
3岡山大学医学部第二病理学教室
pp.773-779
発行日 1977年8月25日
Published Date 1977/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905571
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
まえがき
元来肩甲骨の骨腫瘍は稀であり,その中でも悪性腫瘍はさらに少い.一方その手術的治療についてはあまり多くの報告をみないようである.肩甲骨切除術は1819年より報告があり,腫瘍に対しては1856年Symeがはじめて肩甲骨全摘術を行つたといわれる.その後出版された手術書を繙いてみても,本手術法は収録されていないようである.私どもは昭和44年から51年までの間に6例の肩甲骨悪性骨腫瘍に肩甲骨全摘術を経験した.そしてその手術術式とくに肩関節の再建について新しい試みを行なつた.ここでは私どもの経験をもとに手術術式を紹介し,本法の適応などについて考察を加える.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.